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原田 寛之; Saha, P. K.; 金正 倫計
JPS Conference Proceedings (Internet), 33, p.011028_1 - 011028_6, 2021/03
近年、人類は宇宙に浮かぶ超巨大な原子核である中性子星に関する大きな発見をした。2010年に太陽の2倍の質量の中性子星を発見し、2017年には2つの中性子星が合体するときに発生する重力波を検出した。中性子星のような高密度物質を理解するために、高エネルギー重イオンビームを用いた実験研究が世界中で計画されている。大強度陽子加速器施設J-PARCは、400MeVリニアック, 3GeVシンクロトロン,主リングシンクロトロンの3つの加速器で構成されている。それらの加速器はMW級の大強度陽子ビームを標的に供給し、標的衝突後に生成される2次粒子ビームは様々な最先端の実験や研究に利用されている。このJ-PARCの大強度能力を最大限に生かすべく、重イオンビーム加速の検討を実施している。我々は世界最高強度に到達しうるJ-PARCにおける重イオンビームの加速スキームを提案する。本発表では、J-PARCにおける重イオンビームの加速スキームを紹介する。
橋本 直; 谷田 聖; 他67名*
Physics Letters B, 789, p.620 - 625, 2019/02
被引用回数:33 パーセンタイル:94.97(Astronomy & Astrophysics)における不変質量分布において、つまりが2つの陽子に束縛する質量閾値以下に顕著なピークを観測した。 = 350650MeV/という比較的大きな運動量移行領域を選ぶことで、準弾性散乱()に続いて残りの2各紙に吸収される反応()をはっきり分離することができる。観測したピークの単純なフィットによってBreit-Wignerポール位置 MeV、幅 MeV、そして波ガウス形状因子パラメータMeV/という値が""というストレンジネスを含む新しい原子核束縛システムについて得られた。
早川 岳人; 岩本 信之; 静間 俊行; 梶野 敏貴*; 梅田 秀之*; 野本 憲一*
European Physical Journal A, 27(S1), p.123 - 128, 2006/03
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Physics, Nuclear)ビックバンで、水素からリシウムまでの軽元素が生成された。より重い元素は、銀河系内に存在した、さまざまな恒星の中の核反応で生成され、星間物質に蓄積されていった。その中から、約46億年前に太陽系が誕生した。そのため、太陽組成には過去に行われた銀河系内の元素合成が記録されている。鉄より重い重元素の約99%は、2つの中性子捕獲反応過程で生成されたことが判明している。その一方で、中性子では生成できないp核と呼ばれる原子核が存在しており、過去50年間にわたり天体起源が研究されてきた。これまで提案された仮説は、高エネルギー宇宙線により破砕反応,中性子のX線バーストによる急速な陽子捕獲反応,超新星爆発の光核反応による生成,超新星爆発のニュートリノ反応による生成等である。われわれは、太陽組成から、このp核が、中性子で生成された種となる原子核から、超新星爆発のような膨大な光による光核反応で生成された証拠を発見した。
住吉 光介*; 山田 章一*; 鈴木 英之*; Shen, H.*; 千葉 敏; 土岐 博*
Astrophysical Journal, 629(2, Part1), p.922 - 932, 2005/08
被引用回数:230 パーセンタイル:97.4(Astronomy & Astrophysics)ニュートリノ輸送を考慮した球対称の一般相対論流体力学手法により、太陽質量の15倍の星が起こす超新星爆発における、重力崩壊からコアバウンスの1秒後までの長時間の時間発展を計算した。特に核・ハドロン物質の状態方程式(EOS)の効果を見るために2種類のEOSを用いた。ここで用いたどちらのEOSでも、ショック波は約100ミリ秒後に外向き伝搬をやめ、爆発に至らないことがわかった。しかし状態方程式の違いは、生成される原始中性子星の中心密度に2倍程度、ピーク温度で10MeV程度の差異を与えることがわかった。また、放出されるニュートリノのスペクトルにも有意な差があり、地上での実験でそれを検地できる可能性があることもわかった。
谷川 知憲; 松崎 昌之*; 千葉 敏
Physical Review C, 70(6), p.065801_1 - 065801_7, 2004/12
被引用回数:9 パーセンタイル:51.36(Physics, Nuclear)相対論的Hartree-Bogoliubov模型を用いて自己無撞着に構成した中性子星物質において、そのバルクな特性、特に核子の有効質量と陽子混在率が超流動性に及ぼす影響に着目し、陽子対ギャップの計算を行った。ギャップ方程式には対相互作用としてBonn-Bポテンシャルを用いた。その結果、対ギャップの最大値が1-2MeVであることと、対ギャップの大きさと核子の相対論的有効質量との間の顕著な相関を明らかにした。そこで、これが相対論的有効場理論のパラメータセットを絞り込む指針となることを唱えた。また、密度増大に伴う陽子混在率の増大が緩やかなモデルでは、対ギャップ値のピークがより小さく、超流動状態がより高いバリオン密度まで持続することを見いだした。
丸山 敏毅; 千葉 敏
JAERI-Conf 2003-009, 233 Pages, 2003/08
第5回「極限条件におけるハドロン科学」研究会は、先端基礎研究センター第258回基礎科学セミナーとして、極限ハドロン科学研究グループの主催で2003年3月18日から20日にかけて、東海研究所にて開催された。高密度核物質やハドロン構造,ハイパー核,中性子星,超新星爆発,元素合成,重イオン反応,クォーク物質,QCDなど多岐にわたるトピックスについて33件の研究発表と討論が約50名の参加者によって行われた。また、今回は極限ハドロン科学研究グループの総括と、次期の多体ハドロン系理論研究グループに向けての展望をも目的として行われた。本レポートはその報告書である。
谷川 知憲; 松崎 昌之*; 千葉 敏
Physical Review C, 68(1), p.015801_1 - 015801_8, 2003/07
被引用回数:16 パーセンタイル:68.41(Physics, Nuclear)粒子間の引力がこれまで知られていたよりも弱い可能性が最近報告されたが、それは中性子星の性質に大きな影響をもたらす。そこでわれわれは、核子と粒子の混合物質中における対ギャップを相対論的Hartree-Bogoliubov模型で計算した。対を組む粒子は常伝導状態にある背景核子中に存在する。ギャップ方程式には、系のLagrangianから相対論的に導出される現象論的相互作用を用いた。核子密度が飽和密度の2.5倍程度では対ギャップは非常に小さいこと,核子密度が増すと対ギャップが減少することを見出した。この結果は相対論的模型で混合物質を扱う際に特有の、核子密度に対する新たな依存性を示唆するものである。
千葉 敏; 丸山 敏毅
JAERI-Conf 2002-011, 231 Pages, 2002/09
第4回「極限条件におけるハドロン科学」研究会は、先端基礎研究センター第235回基礎科学セミナーとして極限ハドロン科学研究グループの主催で2002年3月4日から6日にかけて東海研究所にて開催された。核子,ハドロンやクォークからなる多体系の極限条件における性質を理解するうえで重要な核物質,ハイパー核,高エネルギー核反応,量子色力学,中性子星,超新星爆発,元素合成や関連する有限核等のトピックスについて32件の発表が行われた。参加者総数は約50名で、盛況のうちに全日程を終えた。本レポートはその報告集である。
Kondratyev, V. N.
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(Suppl.2), p.550 - 553, 2002/08
中性子星における磁場強度で原子核の構造が変化し、結合エネルギーの殻補正エネルギーに顕著な影響が見られることが判明した。これは、主として核子のスピンと磁場の結合によるパウリ型のスピン磁性効果で、そのために殻補正エネルギーの位相変化として解釈でき、その結果、鉄領域原子核の魔法数が小さな値に変化する可能性が示唆された。
Kondratyev, V. N.
JAERI-Research 2002-010, 32 Pages, 2002/06
超新星や中性子星に付随する超強磁場中での核反応を統計模型をもとに議論した。その結果線放出を伴う中性子捕獲過程については、磁場による準位密度の変化と遷移エネルギーの変化が主要なメカニズムとして効くことがわかった。さらに、超新星コアにおけるr-プロセス核の生成について検討した。
Kondratyev, V. N.
Journal of Nuclear and Radiochemical Sciences, 3(1), p.205 - 208, 2002/06
原子核構造に対する磁場の影響を調べる。魔法数と回転モーメント及び磁気モーメントの変化について解析する。
Kondratyev, V. N.
Physical Review Letters, 88(22), p.221101_1 - 221101_4, 2002/06
被引用回数:42 パーセンタイル:81.91(Physics, Multidisciplinary)中性子星磁場により、クラストに存在する原子核の磁化にステップ状の変化が起こり、そのためにクラストドメインになだれ的な磁化変化が生じる可能性が起こることを見いだした。それにより軟リピーターのバースト現象の統計的性質を理解できることが判明した。
Kondratyev, V. N.
JAERI-Research 2001-057, 74 Pages, 2002/01
熱力学的扱いにより中性子星物質の磁化を考察する。量子効果から核種の磁化に鋭い磁場依存性が生じることを示す。原子核間の磁気的結合を考慮する事でその異常が中性子星の殻での磁気輸送の異常な飛びを引き起こす。そのようなノイズの性質は、ソフトリピーターのバーストの統計を説明するのに好都合である。
Kondratyev, V. N.; 丸山 敏毅; 千葉 敏
Astrophysical Journal, 546(2, Part1), p.1137 - 1147, 2001/01
被引用回数:12 パーセンタイル:36.63(Astronomy & Astrophysics)中性子星の外部クラストにおける原子核の磁性についての研究を行った。殻補正の方法を用いて、原子核の殻構造に対する磁場の影響を調べた。磁場の効果は、主として殻補正エネルギーにおける振動パターンの位相のずれとして現れることが判明した。この位相変化は、スピンの向きが異なる核子に対するエネルギー準位の相対的なシフトに伴うPauli型の磁性効果によるものである。中性子に対する殻補正エネルギーは、磁場の変化とともにほぼ周期的に変化し、強磁場の場合にわずかに増大することがわかった。また、殻補正エネルギーの符号が変わる周期は、隣り合う準位のエネルギー差によって決まることが示された。一方、陽子の殻補正エネルギーは、磁場に対して不規則な依存性を有することがわかった。陽子の軌道運動に起因する磁場の効果は、スピン軌道結合の大きさと匹敵する場合に殻補正エネルギーの振動が増幅される。これらの結果、マグネターに伴う磁場強度であるB~10から10ガウス程度の大きさの場合に、原子核の魔法数が磁場強度に依存することが示された。
千葉 敏
JAERI-Conf 2000-011, 148 Pages, 2000/08
第2回「極限条件におけるハドロン科学」研究会は、先端基礎研究センター第179回基礎科学セミナーとして極限ハドロン科学研究グループの主催で、2000年1月24日~26日にかけて、東海研究所先端基礎研究交流棟において行われた。核子、ハドロン及びクォークから成る多体系の極限条件におけるさまざまな様相を理解するうえで重要な核物質、高エネルギー核反応、中性子星、量子色力学及び超新星爆発・元素合成等のトピックスについての27件の発表が行われた。参加総数は約50名で、盛況のうちに全日程を終えた。本レポートはその報告集である。
Mao, G.; 千葉 敏; Greiner, W.*; 親松 和浩*
International Journal of Modern Physics E, 9(2), p.185 - 192, 2000/04
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Physics, Nuclear)高密度物質中での強い相互作用によって起こる真空(Dirac海)からの自発的な粒子・反粒子生成によって線バーストのエネルギーが説明できることを示す。われわれのモデルでは、生成された反粒子が周囲に存在する物質中で対応する同種粒子と対消滅し非常に大きなエネルギーを放出し、それが線バーストのエネルギー源となる。このような粒子・反粒子対生成を起こすのに必要な臨界密度以上の高密度物質を作る候補としては、二つの中性子星の衝突、またはブラックホールと中性子星の合体が考えられる。そこで、二つの中性子星の衝突の場合に起こる陽子・反陽子生成と引き続き起こる対消滅によるエネルギー放出量を推定し、約10から10erg(衝突係数によって異なる)という値を得た。この値は、最もエネルギーの大きい線バーストの初期エネルギーとして観測より推定されている値と一致する。本研究においてわれわれが提案したシナリオを検証するために、線バースト源からの反陽子スペクトルを測定することを提案する。
Kondratyev, V. N.; 丸山 敏毅; 千葉 敏
Physical Review Letters, 84(6), p.1086 - 1089, 2000/02
被引用回数:9 パーセンタイル:55.27(Physics, Multidisciplinary)殻補正の方法を用いて、原子核の殻構造に対する磁場の影響を調べた。磁場の効果は、主として殻補正エネルギーにおける振動パターンの位相のずれとして現れることが判明した。この位相変化は、スピンの向きが異なる核子に対するエネルギー準位の相対的なシフトに伴うPauli型の常磁性効果によるものである。中性子に対する殻補正エネルギーは、磁場の変化とともにほぼ周期的に変化し、強磁場の場合にわずかに増大することがわかった。また、殻補正エネルギーの符号が変わる周期は、隣り合う準位のエネルギー差によって決まることが示された。一方、陽子の殻補正エネルギーは、磁場に対して不規則な依存性を有することがわかった。陽子の軌道運動に起因する磁場効果は、スピン軌道結合の大きさと匹敵する場合に殻補正エネルギーの振動を増幅する。これらの結果、中性子星や超新星爆発に伴う磁場強度であるB~10から10ガウス程度の大きさの場合に、原子核の魔法数が磁場強度に依存することが示された。
Mao, G.; 千葉 敏; Greiner, W.*; 親松 和浩*
JAERI-Research 99-072, p.15 - 0, 1999/12
高密度物質中での強い相互作用によって起こる真空(Dirac海)からの自発的な粒子・反粒子生成によって線バーストのエネルギーが説明できることを示す。われわれのモデルでは、生成された反粒子が周囲に存在する物質中で対応する同種粒子と対消滅し非常に大きなエネルギーを放出し、それが線バーストのエネルギー源となる。このような粒子・反粒子対生成を起こすのに必要な臨界密度以上の高密度物質を作る候補としては、二つの中性子星の衝突、またはブラックホールと中性子星の合体が考えられる。そこで、二つの中性子星の衝突の場合に起こる陽子・反陽子生成と引き続き起こる対消滅によるエネルギー放出量を推定し、約10から10erg(衝突係数によって異なる)という値を得た。この値は、最もエネルギーの大きい線バーストの初期エネルギーとして観測されている値と一致する。本研究においてわれわれが提案したシナリオを検証するために、線バースト源からの反陽子スペクトルを測定することを提案する。
丸山 智幸*; 千葉 敏
Journal of Physics G; Nuclear and Particle Physics, 25(12), p.2361 - 2369, 1999/12
被引用回数:7 パーセンタイル:42.04(Physics, Nuclear)相対論的平均場理論を用いて、中性子星物質の状態方程式と核子・原子核反応を記述するアイソベクター光学模型ポテンシャルの関連についての研究を行った。この研究により、中性子星物質の陽子混合率により決定され、かつ中性子星の急速な冷却をもたらすDirect URCA過程の可能性と、中間エネルギー領域における核子光学模型ポテンシャルのアイソベクター部のエネルギー依存性との関連が明らかにされた。したがって、核子の光学ポテンシャルを正確に決定することにより、中性子星物質の状態方程式や冷却過程についての不確定性を減らすことが可能であることが示された。
千葉 敏; 丸山 敏毅
JAERI-Conf 99-008, 202 Pages, 1999/08
第1回「極限条件におけるハドロン科学」研究会は、先端基礎研究センター第151回基礎科学セミナーとして極限ハドロン科学研究グループの主催で、1999年3月11日、12日の両日、東海研究所にて行われた。内容はX線パルサーの観測、核物質、核構造、低エネルギー及び高エネルギー核反応、QCD等多岐に渡り、37件の発表が行われた。参加総数は約50名で、盛況のうちに全日程を終えた。本レポートはその報告集である。